前編では、ビザの種類選びで想定外の展開があり、最終的にTemporary Worker Visa – Government Authorised Exchangeで申請することになったところまでお話ししました。後編では、実際の申請手続きとそこで起こった予想外のトラブルについて書きます。
航空券の予約:変更可能なチケットを
ビザ申請には出国日・入国日を決める必要があるため、航空券を予約しました。ただし、ビザの審査が間に合わない可能性を考慮して、日程の変更が可能なチケットを選びました。
帰りは1年後なので片道チケットのみです。ANAのページから、現地に昼間に着くような便を探しました。
選んだ便
- 羽田夕方発
- フランクフルト経由(トランジット5時間)
- グラスゴー昼12時過ぎ着
費用:家族4人で約100万円
…1年間は日本に帰らないことを決意しました(笑)
オンライン申請:家族分も含めて
再度UKVIのホームページから申請を行いました。今度は必要な書類が揃っているので、準備万端です。無事にオンライン申請を終えることができました。
家族のビザ申請
家族はDependent Visaというビザなので、私のビザに紐づけて申請を行います。
妻のビザ申請に必要な書類:
- 戸籍謄本
- 住民票
- 同居の証明書
- 婚姻届の受理証明書
子供の申請に必要な書類:
- 戸籍謄本
- 住民票
- 親の同意書(私と妻それぞれが記載)
費用の支払い:予想外の高額出費
最後にビザの申請料と滞在中の健康保険の料金を支払います。
費用の内訳
- ビザ申請料:64,958円
- 健康保険料(IHS):158,016円/年(子供はもう少し安い)
家族4人分なので、合計で約80万円になります。
トラブル発生:クレジットカードの限度額
ここで予想外のトラブルが発生しました。
家族分の支払いを行おうとしたら、何度やってもエラーになります。
海外決済の罠
そもそも海外のサイトで高額支払いをしようとすると、クレジットカード会社のセキュリティチェックが入り、最初はエラーになります。決済を承認して再度支払いを行わないと通りません。安全のためのシステムですが、本当に支払わなければいけない時には面倒で仕方ありません。
何度かトライしてもダメなので、落ち着いて考えてみました。
「今月は航空券の決済もしているし…もしかしてクレジットカードの限度額を超えた?」
解決策
調べてみると、案の定、ちょうど限度額を超えていました。限度額の一時引き上げの手続きをしました。しばらく出費がかさみそうなので、3ヶ月くらいマックスまで限度額を引き上げました。
なんとか別のカードで決済を済ませることができて一安心。しかし、普段使っているカードが限度額に達していたため、後日子供の習い事の料金が引き落とせず電話がかかってくるという始末で、なんだか恥ずかしく申し訳ない気持ちになりました。
指紋登録:東京のビザセンターへ
オンラインでの申請を終えたら、今度はビザセンターで指紋の登録を済ませないと審査が行われません。
指紋登録ができるのは、東京と大阪だけなので、それ以外の場所に住んでいる人は結構大変かもしれません。
ビザセンターの情報
- 場所:東京は築地
- 予約サイト:https://visa.vfsglobal.com/jpn/ja/gbr/
予約の苦労
ネットで調べてみたら結構混むようなので、朝一の枠を予約しようとしました。しかし、スケジュール調整してなんとか平日に行ける日を見つけて予約しようとしたら、もう予約枠が埋まっています。
よく見ると、プレミアムサービスなるものがありました。2万円支払うと個室対応で手続きができるとのこと。しかもその枠なら、自分が動ける日にまだ予約が取れる。
背に腹は変えられないので、お金で解決して、最短で行ける日に予約を取りました。
プレミアムサービスは必要か?
結論:必要ありません。
実際にはそこまで混んでおらず、プレミアムサービスの恩恵はソフトドリンクがサービスでもらえるくらいでした。お金を払う価値はないかと思います。
妻と子供は後日、普通の枠で指紋登録に行ってもらいましたが、朝イチの枠ならそこまで待たずに登録できたようでした。
パスポートの預け入れと返却
指紋を登録する際、パスポートは預ける必要があります。ビザの審査が終わったら、自分で取りに行くか、レターパックで郵送してもらうかを選べます。
郵送サービスの選択
- レターパック郵送料:3,550円
- パスポート受取時間:平日12時〜14時限定
受取時間が限定的なので、郵送サービスを選択しました。
妻と子供は一緒に申請したので、一緒に同封して送ってもらえるかと思いきや、一人ずつ3,550円かかると言われました…
不要なサービス
他に書類アップロード代行サービスやSMSでのステータス通知などいろいろありますが、書類アップロードは自分でネットででできるし、SMS通知じゃなくてメール通知は無料なので、これらのオプションは基本的に不要だと思います。
eVisaとビザシール
今、イギリスはビザの電子化を進めているらしく、一部はeVisaというものになっています。
今回は:
- 私のビザ:eVisa
- 妻と子供のビザ:従来通りパスポートに貼り付ける紙のビザ
このときはeVisaって便利だなと思いましたが…(後日、これが思わぬ問題を引き起こすことに)
タイムライン:審査期間
- 私が指紋登録を済ませた日:出発7週間前
- 家族が指紋登録を済ませた日:出発6週間前
出発までに間に合うのか不安に思っていましたが、意外にも自分のビザも家族のビザも約1週間で無事に審査を通過しました。
これで航空券もビザも揃い、無事に出発できることが確定してひと安心。
ビザ取得編から学んだこと
重要な教訓
- まずは受け入れ先にどのビザを申請すべきか相談しよう
- 自己判断せずにさっさと問い合わせることが最重要
- なんだかんだバタバタするので余裕をもった準備を
- 4ヶ月前から動き始めるのが理想
- 予想外の書類が必要になることもある
- 航空券とビザ申請費用で出費が嵩むのでクレジットカードの限度額を早めに上げておこう
- または複数のカードに分散させる
- 航空券100万円+ビザ関連90万円=合計約200万円近い出費
- 申請センターの余計なサービスはいらない
- プレミアムサービスは不要
- パスポート郵送サービスだけは使ってもよい(特に遠方の場合)
費用のまとめ
参考までに、ビザ関連でかかった主な費用:
項目金額書類翻訳2万円航空券(家族4人)約100万円ビザ申請料(家族4人)約26万円健康保険料(家族4人)約63万円パスポート郵送(4人分)約1.4万円合計約192万円
次回予告
ビザも取得でき、いよいよ出発が現実味を帯びてきました。
次回は、家探し編をお届けする予定です。海外での住居探しは、日本とは勝手が大きく異なります。特にグラスゴーでの家探しは独特の難しさがありました。その経験をシェアできればと思います。

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