初診の患者を診る前にすべきこと

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初診患者を診る前に・・・

みなさんは救急外来や初診外来で患者さんを診るときにどんなことを意識していますか?

”とりあえず患者を呼び入れて出たとこ勝負!” なんてことはしてませんよね?

指導医レベルの方々は無意識にやっている、患者を呼び入れる前の準備について解説します

患者を呼び入れる前にすべきこと

  1. 年齢・性別・主訴から鑑別を最低3つ挙げる
  2. 予診票の情報から鑑別を修正
  3. 過去の記録を見て注意点がないか洗い出す

年齢・性別・主訴から鑑別を挙げる

まずは予診票や紹介状の情報の主訴を見ます。

さらに、患者の年齢、性別を確認して疾患頻度を考慮した鑑別疾患リストを挙げます。

挙げる鑑別疾患のリストは、最低3つは挙げましょう。その際に3Cを意識するといいと思います。

鑑別疾患なき問診は無駄!?

患者さんを呼び入れる前に鑑別を考えてない人は是非その習慣を見直してください。

なぜなら鑑別疾患が挙がってない状態では、いい問診ができないからです。

想定している鑑別疾患に応じて聞くべき内容が異なります。

例えば”腹痛”の患者さんを診察している際に、「細菌性腸炎」を鑑別に挙げているからこそ食事歴を聞こうと思うわけです。更に言えば、「ノロウイルスによる腸炎」を想起しているからこそ「生の貝を食べませんでしたか?」という質問が浮かぶわけだし、「カンピロバクター腸炎」を想起しているから「生焼けの鶏肉を食べませんでしたか?」という質問が浮かぶわけです。

鑑別を想起していないと「OPQRST」のような型に当てはまった問診しかできず、目の前の患者さんに聞くべき問診ができないのです。

特に医学生や研修医のときには的確な鑑別疾患が挙がらないので、患者さんを呼び入れて話を聞きながら鑑別を考えるのはやめたほうがいいでしょう。

だから「手技も問診も、準備が大事!」ということです。

予診票から鑑別を修正

年齢・性別・主訴の情報から鑑別を挙げた後に予診票に目を通します。

予診票のフォーマットは病院ごとに異なりますが、簡単な現病歴や既往歴が書いてあることが多いです。

これらの情報から鑑別リストを修正します。

例えば、腹痛の患者で「大腸癌の手術歴」があれば、「術後の癒着性腸閉塞」が鑑別の上位に挙がってきたります。

予診票に何をどこまで書くかは患者さん次第なので、「症状や既往歴が、すべて予診票に書いてあるわけではない」ことを念頭においておくのが大事です。手術歴が書いていなくても改めて「お腹の手術をしたことはありますか?」と聞くと、「そういえば・・・10代の頃に盲腸の手術をしました」という話が出てくることもあります。

過去の記録をみて注意すべき点がないか洗い出す

その病院に受診歴がある場合には、過去の診療記録は貴重な情報源です。

例えば既往歴や内服薬も過去カルテから参照できることがあります。

また、同様の症状で受診歴がないかも確認しておく必要があります。同じ症状を繰り返している場合は、発作性の病気や診断が見逃されやすい病気を考える必要があります。

例えば、何度も腹痛で受診しているが検査で異常が見つかっていない場合には、「なんにもなさそうだなー」と思うのではなく、「急性間欠性ポルフィリン症」など通常の検査では見つかりにくいような病気を考えたります。

まとめ

初診外来や救急外来で患者さんを診察するときは、診察前の準備が大事です。

特に鑑別疾患を3〜5つ考えてから診察に臨みましょう

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