プロの仲間入りをするなら型を身に着けろ!
症例プレゼンには、型があるので最初は型を身につけるのが重要です。
プロの世界では、プロのしきたりがあります。
医師の世界でも症例のプレゼンをするときには型があるので、その型を身につける必要があります。
型に則っていないプレゼンをされると、聞いている側は混乱します。
初期研修医が医師の世界に入るためにはまずは型に則ったプレゼンができるようになりましょう。
post-CC OSCEでもプレゼンをしなければいけないので医学生も練習が大事です!
YouTube動画も作成したので、動画で知りたい方はこちらをどうぞ!(チャンネル登録もぜひ!)
プレゼンの順番を身につけるべし!
病院や診療科によって多少の型の違いはありますが、概ね次のような型に沿っている事が多いです。
- Opening statement( Identifying Information)
- 現病歴
- 既往歴
- 内服歴+アレルギー歴
- 社会生活歴
- 身体所見
- 検査所見
- アセスメント&プラン
Opening statement( Identifying Information
最初は必ず年齢・性別・主訴(Identifying Information)
「〇〇を主訴に来院した〇〇歳の◯性です」
ここで、指導医は年齢・性別・主訴から鑑別を考えながら聞きます。
年齢・性別は、疾患の頻度を考えるのに非常に重要な情報なので必ず伝えましょう。
プレゼンに慣れたら診断に必要な背景情報も加えて患者の特徴を述べると良いと思います。
胸痛を主訴に来院した患者であれば、糖尿病の既往は重要なリスクなので「胸痛を主訴に来院した糖尿病の既往のある56歳男性です」というように加えるとより鑑別を意識できているプレゼンになります。
現病歴
現病歴は、なるべく時系列で述べましょう。
複数訴えがある場合には訴えごとに分けても構いませんが、それでも時系列に沿った方が聞いている側は整理しやすいです。
無い症状(陰性所見)も鑑別を絞るには重要な所見です。
聞いている側は、「その症状が無い」のか「問診してない」のかわからないので、無いことを確認した症状で鑑別に関係あるものは述べましょう。
既往歴・内服歴・アレルギー歴
既往歴は鑑別に関係があるものを中心に述べましょう。
内服も重要な情報なので、最初はすべて述べるようにしましょう。
アレルギーは、医療安全上も大事なので報告するようにしましょう。
社会生活歴
飲酒・喫煙は、多くの病気のリスクになるのでルーチンで報告してもいいと思います。
その他は状況によって職業、同居家族を述べたり、高齢者であればADLや介護保険の使用状況も含めましょう。
身体所見
身体所見は必ずバイタルサインから述べること。
バイタルサインによって緊急度も変わりますし、重篤な疾患が隠れているかを探るのにとても大事な情報です。
鑑別に必要な身体所見を中心に述べてください。
ここでも陰性所見は非常に重要なので、鑑別に関わる所見は正常でも述べましょう。
例)下腿浮腫で来院した患者では心不全を考えるので「心雑音がない」ことや「Ⅲ音がない」ことは重要な所見です。所見に自信がなければ、「自信がないけど自分は◯◯だと思いました」と伝えて、指導医と後に所見を確認しましょう。
鑑別疾患とアセスメント&プラン
ここで自分の考えた鑑別とプランを伝えましょう。
まずはプロブレムを整理して、自分の考えている鑑別疾患について支持する所見と否定する所見を述べて、検査計画や治療計画を述べます。
例)胸痛の患者の場合 鑑別疾患としは、ACSと肺塞栓、気胸を考えました。ACSとしては、中年男性であり喫煙歴もありリスクが高く、冷や汗を伴う胸痛であることが一致します。肺塞栓に関しては、DVTを疑う所見や血栓リスクはありませんが、急性発症の胸痛なので重篤な疾患として考慮しました。気胸に関しては、急性発症であることと喫煙していることはリスクになりますが、聴診で呼吸音の左右差もないので可能性は低いと思います。以上よりACSを疑って心電図、Troponinを測定、DVTに関してはD-dimerを測定したいと思います。
上達のためには
とにかくプレゼンは練習が大事です。
指導医にプレゼンを聞いてもらい、その都度フィードバックをもらうといいと思います。
おすすめ参考書
この本はめちゃおすすめです。
僕が医学生のときに買って、臨床留学するためこの本を片手に練習しました。
プレゼンの型から病歴、身体所見のとり方まで乗っているので、臨床実習を控えた学生や初期研修医にはとてもおすすめです。
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