MPHのススメ vol.1

MPH

MPH取得しました。

 2020年4月に慶應義塾大学 大学院 健康マネジメント研究科 公衆衛生専攻に入学し、早期修了制度を使って1年で卒業して無事にMPHを修得ました。

 健康マネジメント研究科は看護医療学部の大学院ですが、看護学だけでなく公衆衛生専攻、医療マネジメント専攻、スポーツマネジメント専攻の4専攻が一緒に学ぶ学部になっております。

 詳細は、健康マネジメント研究科のHPを御覧ください。

MPHって何?

 MPHはMaster of Public Healthの略で、公衆衛生学を学ぶ大学院の修士課程のことです。期間は1〜2年で、公衆衛生の基礎を学びます。

 公衆衛生で学ぶのは、大きく分けて次の5つの領域です。

  • 生物統計 Biostatistics
  • 疫学 Epidemiology
  • 医療政策 Health Policy
  • 行動科学 Behavioral Science
  • 環境・産業保健学 Occupational and Environmental Health

 実際に慶應のMPHコースでも、上記の5分野がそれぞれ必修科目に含まれていました。

MPHはどこでとれる?

 MPHの取得には大きく分けて、国内、海外留学、海外オンラインの3つの選択肢があります。

 国内であれば、東大と京大のSPH(School of Public Health)が有名です。慶應のMPHコースは比較的新しくてまだそこまで知名度はないかもしれません。

 国外の大学では、実際に現地に留学して通学することとオンラインで海外の大学のコースを履修する選択肢があります。有名所だとアメリカのHarvardやJohns Hopkins大学もオンラインでのMPHコースがあります。英国にもいくつかオンラインでの公衆衛生大学院があります。

 海外のMPHを検討するときにこのブログが参考になりました。

なぜ慶應のMPHを選んだ?

 一番の理由は、慶應で勤務していたので働きながらMPHを取得できたからということです。

 これだけだと元も子もないので、慶應のMPHコースの特徴を挙げたいと思います。

4専攻が混ざっている

 最初に書いたように慶應の健康マネジメント研究科は、看護学、公衆衛生専攻、医療マネジメント専攻、スポーツマネジメント専攻の4専攻があります。授業も合同で行われることも多く、多彩なバックグラウンドと問題意識を持った学生が集まっています。ディスカッション形式の授業も多く、医師以外の職種も多いの違った視点の意見を聞けることが多いのでとても勉強になります。

 また、授業によっては経営管理研究科(KBS; Keio Business School)との合同授業もあり、経営視点の意見と医療者側の意見を交えるのは非常に勉強になりました。

特定分野のサーティフィケートコースがある

健康マネジメント研究科では、次の特定分野のサーティフィケートというものが修得できます。僕は、両方履修しました。HTAの方はスケジュール的に取り残した単位があるので、科目履修生として残りの単位を来年度履修する予定です。

病院経営イノベーションコース

文部科学省平成 29 年度課題解決型高度医療人材養成プログラムの一貫で設立されたプログラムです。先進的医療の開発と質の高い医療サービスの効率的提供の両立、さらに地域医療連携の中核としての幅広い役割を果たすという大学病院のミッションを果たしつつ、サステイナブルな経営を実現するため、絶対解の無いと言われる経営課題に対して正面から向き合い、課題解決へ向けて行動できる実践的経営人材の育成を目指し、慶應型ケースメソッドに則ったケースディスカッションをベースとする内容で

病院イノベーションコースのHPより

医療経済評価人材育成プログラム

「医薬品及び医療機器等の費用対効果評価のための人材育成プログラム開発事業」を国立医療保健科学院より受託して設立されたコースです。医療経済学を学びながら、費用対効果分析だけではなく、分析結果の幅広い評価、それに続く政策的な意思決定を含めた「医療技術評価(HealthTechnologyAssessment:HTA)」を学びます。HTAは、持続可能な医療制度を維持するために非常に重要な領域で、日本でもHTAを行える人材育成に力を入れています。このコースを修了すると研究員などのポストにつながる可能性があります。

医療経済評価人材育成プログラムのHPより

慶應のMPHコースのデメリット

 東大や京大などの国立大学と比べると学費が高い(約170万円)のがデメリットだと思います。慶應のMPHコースの学費に関して詳しくは、こちらのHPを。ただ、海外の大学院と比べると半額以下です。奨学金制度なども充実しているので、フルタイムの学生になる場合は支援を受けれると思います。

MPH取得後の進路

 そもそも慶應のMPHコースの学生のうち医師は数名で少数派です。他には製薬会社、看護師、保健師など多様なバックグラウンドの方が来ています。

MPHコース取得後の進路

海外のサイトでMPH取得者の進路と年収をまとめたものを見つけました。

  • Public Health Educator – 45,500 USD/year
  • Epidemiologist – 67,000 USD/year
  • Public Health Consultant – 57,000 USD/year
  • Public Health Administrator – 65,000 USD/year
  • Clinical Research Coordinator- 53,800 USD/year

Study master portal

教育や研究、政策へ関わっていくひとが多いようですね。

働きながらMPHを取ろうと思う方はぜひこちらの記事も御覧ください

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