都市部と地方部での心不全のプライマリ・ケアにおけるマネジメントの違い

リサーチ

論文を書くための文献を探していたところ興味深い論文が見つかったので備忘録として記載死ておきます。

論文はこちら

Clark, R. A., Eckert, K. A., Stewart, S., Phillips, S. M., Yallop, J. J., Tonkin, A. M., & Krum, H. (2007). Rural and urban differentials in primary care management of chronic heart failure: new data from the CASE study. Medical Journal of Australia, 186(9), 441–445. https://doi.org/10.5694/J.1326-5377.2007.TB00993.X

研究の概要

オーストラリアで行われた横断研究で、341のGPが60歳以上の患者 23,845人をリクルートしたCASE Studyのデータを用いた。

Rural, Remote, Metropolitan areaの3つに地区を分類している。

60歳以上の患者の13.1%に心不全を認めた。

都市部と比較して、地方部では、プライマリ・ケアにおける心不全の有病率が高かった。

直近1年間の心不全関連の入院は、都市部と地方部で有意差はなかった。

治療内容に関しては、ACE inhibitorの使用率は地方部の方が低かった。利尿剤、ベータ阻害薬の処方率に関しては地域差はなかった。

循環器専門医の紹介は、都市部と比べて地方部で少なかった。

感想・メモ

都市部と地方部のプライマリ・ケアの実情を記録した素晴らしい研究ですね。

専門医への紹介のハードルが、地方部の方が高いというのが実臨床での所感と一致しているなと思いました。

そして、Evidence-Practice Gapの測定をしているのも素晴らしいです。

都市部、地方部の分類は、the Rural, Remote and Metropolitan Areas (RRMA) classification.を使っている。これはオーストラリア特有の分類のようです。

この分類の元文献は

Department of Primary Industries and Energy and Department of Human Services and Health. Rural, remote and metropolitan areas classification (RRMA). Canberra: Commonwealth of Australia, 1994.

日本だと金子先生のRurality Indexを使うのがいいのでしょうね。

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