現象学的アプローチ(Phenomenological approach)

現象学的方法とは因果関係を明らかにしようとするものではなく,むしろ生きられた体験(lived
experience)としての「現象の本質」 を明らかにしていくことを探究る記述的研究のことである。

現象学とは、そもそも哲学から生まれた概念で、心理学の研究に応用され、最近では看護学の研究にも応用されているようです。

自然科学的な研究と同じく、
1.関心領域の現象を明らかにする
2.研究計画を構築する
3.データを収集する
4.データを分析する
5.結果を記述する

というプロセスを踏む。

しかし、結果にたどり着くまでのアプローチが異なる。

自然科学的な研究は、
理論的前提→実験→因果関係を明らかにする
というプロセスを経る。

現象学的方法では、
生きた全体的現実(対象者の体験)→意味や本質を見出す
というプロセスを取る。

自然科学的研究では、対象者の個性がなくなればなくなるほど信頼性が上がるが、現象学的研究ではその反対となる。

また、データの解析を研究者自身のコンテクストや価値観(Perspective)に基づいて行うことも自然科学的研究とは大きく異る点である。

そのため、研究の最初に研究者のコンテクストや価値観について明らかにするというプロセスがとられる。

単独あるいは少数のケースに基づくという限界を持つが、意味や意義の解明という点では優れる。

【参考文献】
日本看護科学会誌 J. Jpn. Acad. Nurs. Sci., Vol.12, No.2, pp. 45~57, 1992

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