Annals of Family Medicine誌に掲載されたこちらの論文
このモデルは、質の高いプライマリ・診療所のサイトビジットを通して考察された。
Starfiledのプライマリ・ケアの4つの柱と、Patient−Centered Medical Homeのモデルを参考に作られあ。
ちなみにStarfiledのプライマリ・ケアの4つの柱とは、
- Continuity
- Comprehensiveness
- Coodination
- First contact of Care
の4つである。
今回の10のブロックモデルは次の図の通りです。
ブロック1 リーダーシップ
質の高いプライマリ・ケア診療所では、すべての職種に目標を提示するリーダーシップが存在する。リーダーは、具体的で、測定可能な目標を設定する。(いわゆるSMARTな目標)
ブロック2 データ駆動型の改善
立てた目標をモニターするのが2つ目のブロックの役割。
このデータの測定をなるべくICT技術を使って、持続的に測定し、表示される仕組みを作ることが重要。
ブロック3 Empanelment
Empanelmentとは、患者とプライマリ・ケアチームをつなぐことを意味する。欧米では、診療所もしくは一人の家庭医が、「かかりつけ」として見ている患者リストのことをパネルと読んでいます。このパネルを明確にすることがこのEmpanelmentの意味だと思います。日本ではあまり意識されていない事かもしれません。
ブロック4 Team-Based Care
チーム医療は、プライマリ・ケアが生き残るために必須な要素である。チームは、Non-medicalなスタッフを含み、プライマリケアの能力を追加します。人数が増えるとお互いを把握できないので、血医務内にTeamletを作って、小さい単位で活動できるようにしている。
5. 患者-チームパートナーシップ
効果的なパートナーシップは、患者と医療者のShared dicisinで行われる。患者の個人的なゴールに合わせて意思決定をするのが重要である。
6. 集団の管理
自分の診療所のパネルのニーズを層別化し、チームの役割をそれらのニーズに合わせて設計します。ルーチンで行う検査がきちんと行われているか、ヘルスメンテナンスのスクリーニングが行われているか事前に電子カルテでチェックする。
7. ケアの継続性
高性能な診療所は、患者が同じ医師やチームと連続的に接触することを重視する。
8. ケアへの迅速なアクセス
高性能の診療所は、患者が必要なときにケアを受けられるようにしている。
9. 包括性とケアの調整
Starfieldの4つの柱の包括性とケアのコーディネーションについて、プライマリ・ケアで患者の問題がワンストップで相談され、プライマリ・ケアの範疇を超える場合には適切に紹介を行う。
10. 未来のテンプレート
対面診察に依存するのではなく、オンライン診療や電話診察などを取り入れて従来型の対面診察だけに依存した診療を超えて未来を見据えた診療体制を作っていくことを指している。患者のニーズに合わせて、様々な診療方法の提供やプライマリ・ケア医の役割の再構築が含まれている。
これらの10のブロックは、それぞれが他のブロックの実装を支援する役割を果たしている。
このモデルを通じて自分の診療所の診療体制を振り返ることで、プライマリケアの改善に向けた具体的な施策をみつけることができるかもしれない。
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